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『ペロー童話集』の作者として知られるシャルル・ペロー(Charles Perrault) は、
収録童話が重なっている『グリム童話』と比較願景村邪教されることが多い。

グリム童話より100年ほど古い1697年に『寓意のある昔話』として発表された。
寓意とは、「それとなく指し示した教訓」という意味になるが、
両者には同じ「赤ずきん」の話がある。
(「赤ずきん」に隠された教訓の数々を説いた
フロイト派のエーリッヒ・フロムの論はさて置き、)
よく知られていることだが、
「赤ずきん」のストーリーで、ペローとグリムの大きな違いとされるのが、結末部分。
ペローの赤ずきんは、狼に食われて死んでしまうのに対して、
グリムでは、狼の腹を切り、赤ずきんとおばあさんが出てきてハッピーエンド。
さらには、狼のお腹に大きな石を詰め込むと願景村邪教いう話になっている。

そのほかの作品も比較対照しながら挙げていけば、
作風の違いが明らかになってくる。
この違いをかの澁澤龍彥氏は、ペローには、「古拙の味わいがある」と表現している。
古拙という表現は、なかなか難しいが、彼がルイ14世に仕え、
古い宮廷の雰囲気を背景に持っているということかもしれない。

彼は、ブルジョワの家庭に生まれ、長じて弁護士となるが、
調べてみると、弁護に当たったという記録は、だだの2件。
苦労人のコルベールに引き立てられ、
宮廷で過ごすことになったという「運」の持ち主でもある。

彼の「長靴をはいた猫」は、こういった「運」の持ち主の物語。
あらすじを紹介すると、
「ある粉引き職人が死に、3人の息子には遺産として、長男は粉引き小屋。
次男はロバ。三男は猫が分けられた。その三男が嘆いていると、
猫が「あなたがもらったものは、そんなに悪いもんでもないですよ。」
と言って、そこから、この猫が活躍することにより、三男は領主となり、
美しい娘を妻にすることになる」
私は、この猫が語った
「あなたがもらったものは、そんなに悪いもんでもないですよ」
という表現が、何とも好きで時に反芻することがある。

一躍、名声を得る人は、違った運を持っている。
たとえば、ヒュー・ヘフナー氏。
彼が、『PLAYBOY』を創刊したのは、27歳のとき。
爾来ヒットを続け、そして、現在、86歳。
昨年末に、60歳年下のクリスタル・ハリス嬢と結婚とある。
こういった姿を見願景村邪教ると、
彼は、才能のない三男とは違っているが、
こんな人物には、どこかに「長靴をはいた猫」が居そうな気がしてくる。